今日もいろんなことがありました。 あ。と思ったらもう越えていた。 線路に落ちる奴ってこんな感じかもしれない。 気付いた時にはもう修正不可能な体勢になっている。 前から危ないと思ってたんだ。 過労死する奴もこんな感じかも。 低い安全柵を乗り越えちゃったらもう体重が下へ行ってしまって、体が夢の中みたいに動かない。 息を吸う間に頭が下になって、目に映るのは非常階段の天井灯ばかり。それが一気に遠ざかる。 死ぬ。 いや違うな。こんな感じだ。 死ぬうううううう 伸びたそうめんみたいになすがままになっていた俺の身体を、次の瞬間誰かが背後からわし掴みにした。 大きな男の笑い声が全身に響くのと同時だった。 あはははははは!! あはははははは!! あーはははははは!! 世界のすべてのことを笑い飛ばすかのようにそいつは笑った。 一体に、おもしろいことが起きるな世の中は! りんだと分かった時、ものすごい鼻水が出そうになって泡を食った。 声を出す直前に意識が飛ぶ。 まるで夢みたいに。 |
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